2024年12月3日 中国運輸局観光部(ユニバーサルツーリズムセミナー)報告

観光部観光企画課 課長 曽川 書考 氏

ご挨拶

観光需要は回復傾向にあり、今後も更なる増加が見込まれます。このため、国内外から多様な旅行者を迎えるにあたり、宿泊業での深刻化する人材不足の解消とともに、様々な方が気兼ねなく旅行できるユニバーサルツーリズムの推進を図っていくことが重要となっています。

このため、中国運輸局では、中国地方の宿泊施設の経営者・管理者層の方を対象とした宿泊業に関するセミナーを開催します。

第1

「中国地域の観光市場の現状とポテンシャルについて」

講師:株式会社リクルート じゃらんセンター・センター長 沢登 次彦 氏

2003年4月株式会社リクルート入社。教育機関広報事業部を経て2003年4月に国内旅行事業部へ。関東近郊観光地のエリアプロデュ―サーとして地域活性に携わる。2007年4月より現職。観光庁をはじめ中央省庁や地方自治体の各種審議委員、講演・研修等を務める。

第2

「宿泊施設における人材確保・業務効率化について」

講師:株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター・センター長 宇佐川 邦子 氏

リクルートグループ入社後、一貫して求人領域を担当。2014年4月より現職。様々な業界の特色を踏まえ、求人・採用活動、人材育成・定着、さらに活躍促進のための従業員満足メカニズム等、「『働く』に関する課題とその解決に向けた新たな取り組み」をテーマに全国で講演・提言を行う。全国求人情報協会常任委員のほか、経済産業省、厚生労働省、東京商工会議所等において委員も務める。

第3

「人にやさしい宿泊から誘客の成功と業務効率化について」

講師:一般社団法人バリアフリー旅行ネットワーク・代表理事 平森 良典 氏

42年前から障がい者団体等の旅行に携わり、約500万人に旅行の喜びを提供。30年前からバリアフリーツアーを主催し、車いす利用者等、約3万人を介助。旅行時の困りごとへの対処事例や誘客成功事例をもとに、実践的なヒントを伝授する研修・講演・提言・観光支援を、22年間にわたり全国で実施しています。観光庁ユニバーサルツーリズム促進検討会委員や専門家派遣講師として、宿泊事業者支援などに尽力。国土交通省「バリアフリー化功労者大臣表彰」を受賞。

第3部「人にやさしい宿泊から誘客の成功と業務効率化について」

アンケート結果報告

満足度

セミナーの内容について89%の方から「大満足」または「満足」の回答をいただきました。

内訳:

・大満足:28%

・満足:61%

・普通:11%

役にたった点(複数回答)

・座学:10%

・配慮備品:30%

・情報発信:30%

・誘客成功事例:17%

・業務効率化:13%

主なコメント:

・「バリアフリーなど様々なことを勉強することができ大変有意義時間となりました。」

・「バリアフリーはコストがかかる割に効果が少ない」という先入観が払拭され、誘客、業務効率化につながることが理解できた。

・「地域全体で一致した誘客方法が重要だと感じた。」

・「バリアフリー情報をお客様に届けることが重要だと感じた。」

・「配慮備品などの発信することが大切さを学んだ。」

・「玄関に手摺や腰掛けを設置しようと思った。」

詳しく聞きたい点(複数回答)

・座学:13%

・配慮備品:22%

・情報発信:30%

・誘客成功事例:26%

・業務効率化:9%

主な要望・意見:

・「誘客成功事例について、詳しく聞きたい。」

・「情報発信の具体的な方法(例:必要な情報の表示方法、写真やサイズの表記など)を知りたい。」

・「足腰の弱い方を対象とした誘客方法について学びたい。」

・「障がいがある方の視点に立った情報発信の工夫を知りたい。」

・「配慮をできる範囲でどのように従業員と話し合い、誘客の実現したのかを知りたい。」

・「もう少し時間があれば、バリアフリーについて詳しく学びたかったです。」

自由意見

・「とても重要な取り組みであることを再認識しました。今後もぜひお話を伺う機会があれば嬉しいです。」

・「42年にわたる活動と、障がい者の夢と思い出づくりと観光事業者の研修と誘客の貢献に敬意を表します。協力できることがあればお声かけください。」

・「平成25年の大臣表彰の祭、選考委員の先生と一緒に東広島の事務所に訪問したのが最後かと思います。それ以来も、平森様の精力的なご活躍には心から敬服しております。

 現在、私もバリアフリー行政のお手伝いしておりますが、平森様が講演でお話しされているように、観光や宿泊施設のバリアフリー情報の提供は非常に重要です。この情報があることで、障がいのある方々や高齢者の行動範囲が大きく広がります。これからさらに高齢者社会が進む中、観光産業を育てることは一層重要になっていくと感じています。」

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